今回は、旺文社の「大学入学共通テスト実践対策問題集」(数学)です。
家庭教師や塾講師として、実際に使用して感じたメリット・デメリット、上手な使い方をご紹介します!
シリーズ構成
旺文社の「大学入学共通テスト実践対策問題集」は、共通テストの各科目に対応してシリーズ展開しており、数学は、「数学IA」と「数学IIB」に分かれています。
本書のメリット
短期間で全体を網羅できる!
まずこの本の最大のメリットは、短期間で全範囲を網羅できる問題数と構成になっていること!
単元ごとに、1問5分ほどの基礎問題が10~20題、共通テスト本番レベルの実践問題が3~4題で構成されています。
そのため、基本的な復習が一通りできている人であれば2週間ほどもあれば1冊終えることが出来るでしょう。2週目のとき直しも含めて、共通テスト本番1ヶ月前からスタートすればしっかり仕上げができるようになっています。
基礎問題から本番レベルまで簡潔にまとまっている!
問題が厳選されていながら、教科書レベルの基礎から本番レベルの問題まで両方入っているのも、この参考書のメリット。
共通テストは、以前のセンター試験に比べて思考を必要とする問題が多くなり難化傾向にありますが、教科書レベルの基本問題も多く出てきます。そして、このような問題は絶対に落としてはいけません!
この「絶対に落とせない問題」を確実に解けるようにするためにも、本番直前での教科書レベルの復習は非常に重要なのです。
本番が近づくにつれて、ついつい難しい問題ばかりに目が行きがちですが、この参考書であれば基礎問題も実践問題も両方練習できるのでオススメです。
本書のデメリット・注意点
演習量はやや少なめ
これはメリットの裏返しですが、短期間で問題を厳選している分、これ1冊では演習量はやや少なめになってしまうでしょう。
本番1ヶ月前など時間が限られているときはよいのですが、共通テストまでまだ半年など時間に余裕のある人は、これ1冊を終わらせて満足してしまうのは危険です。
あくまでも最後の仕上げとして活用するか、時間に余裕があれば他の問題集(河合や駿台の共通テスト問題集など)で演習量を補いましょう。
基礎レベルと実践レベルの差が大きい…
本書は基礎レベルと実践レベルの両方が1冊にまとまっていますが、「教科書の例題プラスα」⇒「共通テスト本番レベル」となっていて、実はそのレベルにかなり差があります。
そのため、「基礎レベルが完璧に解けるようになったから実践問題もチャレンジしてみよう…!」と挑んでみると、ピタッと手が止まってしまう生徒が多いのです。
基礎レベルはすらすら解けるけど、実践問題で手が止まる…という人は、チャートやFocus Goldなどの参考書でレベル3くらいの問題を練習してから再度チャレンジしてみましょう。
おすすめの活用法
①(本番まで時間がある人)共通テスト勉強の最初の一歩として
8月~9月の時期など、共通テストまでまだ時間のある人は、共通テスト勉強の最初の一冊目として取り組んでみましょう。
ある程度基礎が固まったら本書に取り組む
最初の1冊目に、とは言いましたが、基礎が固まっていない内から本書に取り組むのはおすすめしません。というのも、簡潔にまとまりすぎているため、この問題集だけで基礎を固めることは難しいからです。
夏までに数学IAIIBの復習は一通り終えて、夏の終わり頃から本書で共通テストの形式に慣れていくのが理想です。
他の問題集で演習量をカバー
本書に期間をかけてダラダラと続けるのはお勧めしません。2週間~1ヶ月ほどで、集中して1周目を終わらせてしまいましょう。
ひととおり解き終わったとき、特に苦手な分野があればまずはその分野を学校の参考書などで復習します。
同時に、河合や駿台、z会などの共通テスト問題集(数回分の模試が収録されているもの)で共通テストの演習をどんどんこなしていくのがお勧めです。
②(本番が近い人)共通テスト直前の仕上げとして
短期間で全範囲を効率よく復習・確認出来る構成になっているので、12月など共通テスト直前の仕上げとして活用するのもお勧めです。
この場合も、1周を終わらせるのに時間はかけず2~3週間ほどで終えてしまいましょう。(1日1単元を目安に取り組めばこれぐらいで終わります。)
この時期で実践問題までスラスラ解ければ、その分野はOKです!実践問題で手が止まる場合は、その分野の基礎~実践レベルを他の参考書で演習しましょう。(共通テスト版のチャートなどお勧めです!)
もっと根本的に、基本問題で間違いが多いようであれば、チャート式などでレベル1~2の問題を繰り返し解き基礎レベルを定着させましょう。ただし、本番までの時間が限られているので、一問一答式のような簡単な問題をたくさん解くことをお勧めします。
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