2次方程式の解の公式って、なんでこんなに覚えにくいんでしょう・・・?
みんな一度は、「証明できたら覚えなくてもいいのに」と思ったことがあると思います。
そこで今回は、解の公式の証明を、具体例も使って分かりやすく説明してみたいと思います!
(・・・とはいえ実際に解の公式を証明してみると、これがまた結構大変で、結局「覚えた法が早いや」となるのですが (^_^;) )
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解の公式を証明する前に・・・(準備運動)
いきなり解の公式の証明に入る前に、まずこんな問題を考えてみたいと思います。
(この問題での考え方を、のちほどの解の公式の証明でも使います。)
\(x^2+4x+1=0\) ・・・① を、\((x+m)^2=n\) の形に変形して解きなさい。
※\(m, n\) は任意の定数(自由な数字)
※解の公式は使わないこと!
\(x^2+4x+1=0\) は、左辺を因数分解したりできないので、通常は解の公式を使って解くような問題です。
でも、今回は解の公式を使うな、と言われている。

え、じゃあどうしたらいいのよ・・・
とりあえず、問題文で指示されているとおり①式を\((x+m)^2=n\) の形に変形してみましょう。
そのために、まずこのように式変形します。
\(x^2+4x=-1\) ※+1を右辺に移項
続いて、「左辺を無理矢理 \((x+m)^2\) にできないか・・・」と考えてみます。
\(x^2\) と \(4x\) を見て、何か思い浮かびませんか・・・?

\(x^2+4x{\color{red}{}+4}\) だったら、\((x+2)^2\) にできるけど・・・
お、いいですね!
左辺に+4があれば、左辺は \((x+2)^2\) の形に因数分解できます。
でも、勝手に左辺だけに+4すると=が成り立たなくなってしまいますよね。
そこで、右辺にも同じように+4をして=が崩れないようにしてあげます。
\(x^2+4x{\color{red}{}+4}=-1{\color{red}{}+4}\)
そしてら、左辺は因数分解、右辺は普通に計算して、
\((x+2)^2=+3\)
となりますね。よって、
\(x+2=\pm\sqrt{3}\)
\(\therefore x=-2\pm\sqrt{3}\)
となり、解の公式を使わずに答えを出すことができました!
解の公式の証明
では、いよいよ本命の解の公式を証明していきましょう。
実は、考え方は先ほどの問題と全く同じです!
ただ、今回は具体的な数字では無く文字(a, b, c) を使っていくので、先ほどよりちょっと難易度が上がります(汗)。
焦らず、ゆっくり計算してみましょう!
※今回は解説のために、より丁寧な説明文を書いています。実際の証明の時はもっと簡潔な表現で書きましょう!
\(ax^2+bx+c=0\)( \(a\ne0\) )の解が \(x=\large{\frac{b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}\) になることを示せ。
まず、\(x^2\) の係数が1の方が分かりやすいので、
\(ax^2+bx+c=0\) の両辺を \(a\) で割ります。
\(x^2+{\large\frac{b}{a}}x+{\large\frac{c}{a}}=0\)
続いて、\(+{\large\frac{c}{a}}\) を右辺に移項します。
\(x^2+{\large\frac{b}{a}}x=-{\large\frac{c}{a}}\)
ここで、左辺を無理矢理 \((x+m)^2\) の形にするために、両辺に \(({\large\frac{b}{2a}})^2\) を足してやりましょう。
\(x^2+{\large\frac{b}{a}}x{\color{red}{}+({\large\frac{b}{2a}})^2}=-{\large\frac{c}{a}}{\color{red}{}+({\large\frac{b}{2a}})^2}\)
そして、左辺は因数分解、右辺は計算してやります。
\((x+{\large\frac{b}{2a}})^2={\large\frac{b^2-4ac}{4a^2}}\)
※右辺の計算は、
\(-\frac{c}{a}+(\frac{b}{2a})^2=-\frac{c}{a}+\frac{b^2}{4a^2}=\frac{b^2-4ac}{4a^2}\)
よって、
\(x+{\large\frac{b}{2a}}=\pm{\large\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}\)
となり、\(+{\large\frac{b}{2a}}\) を移項して解の公式が導けます。
\(\therefore x={\large\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}\)