今回は、連立方程式の「加減法」のコツについて解説します!
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加減法とは
加減法とは、連立方程式の2つの式を足したり引いたりすることで、一方の文字を消す方法です。

加減法は、どんな連立方程式でも使えるとっても便利な手段ですが、
慣れるまでは少し使いづらいかもしれません。
加減法は、練習すればするほど慣れてきて使いこなせるようになりますが、
次の手順を意識して練習すると、より早く身につけることができるようになります!
加減法の手順
加減法を使うときには、毎回、次の手順を意識しましょう。
①一方の係数をそろえる
まず、第一ステップは「一方の係数をそろえる」こと。
例えば、\(\begin{equation}\left\{\begin{alignedat}{2}&2x-5y=-4 & \cdots(1) \\&3x-2y=5 \ \ & \cdots(2)\end{alignedat}\right.\end{equation}\) という連立方程式の場合、
まず与えられた2つの式の \(x\) と \(y\) の係数を見比べます。
\(x\) と \(y\) の係数のどちらか一方がそろっていれば、そのまま次のステップにすすみましょう。
ところが今回は、\(x\) と \(y\) の係数どちらもそろっていませんね。
そんなときは、どちらかの係数を最小公倍数でそろえてやります。
例えば、今回の連立方程式であれば、(1)の式を3倍、(2)の式を2倍してやることで、\(x\) の係数を6にそろえることができます。

もちろん、\(y\) の係数をそろえても構いません。そろえやすい方でそろえましょう。
どちらかの係数をそろえることができたら、次のステップに進みます。
②そろえた係数の符号に注目し、足し算or引き算する
どちらかの係数をそろえることができたら、そろえた係数の符号に注目しましょう。
そして、もし符号が同じであれば、式どうしを引き算し、
逆に符号が異なれば、式どうしを足し算してやりましょう。
先ほどの例では、そろえた \(x\) の係数の符号は、両方ともプラスなので同符号です。
よって、2つの式の引き算をします。

すると、係数をそろえた方の文字を消すことができますね!そしてそのまま、一方の文字の値を求めることができます。

③もとの式に代入して、残りの文字の値を求める
一方の文字の値が分かったら、それをもとの式に代入して残りの文字の値を求めます。
今回であれば、\(y=2\) を(2)の式に代入して、
\(\begin{align*}3x-2\cdot2&=5 \\3x&=9 \\ x&=3 \end{align*}\)
となりますね。
こうして両方の文字の値が分かったら、加減法の一連の流れは終わりです。
〈注意点〉言葉での説明書きは必ず書く
連立方程式を加減法で解くとき、1つ注意したいポイントがあります。
それは、「言葉での説明書きを省略せずに書くこと」!
よく、式だけをバラバラと書いていって、説明を書かない生徒を見かけますが、
そういう人はだいたい、途中で計算ミスしたり、自分が何の計算をしているか分からなくなってしまったりします。
「①×3ー②×2より・・・」や、「③を①に代入して・・・」などの説明を書くことで、
・自分が今なんのための計算をしているかハッキリする
・見直しの時に、なんのための計算だったかがすぐ分かる
というメリットがあります。
数学ができる人ほど、この説明を省略せずに書きます。
少し面倒かもしれませんが、必ず書くクセをつけましょう!

どんなときに加減法を使うのがおすすめ?
加減法は、基本的にどんな連立方程式にも使うことができるので、
解き方に迷ったら、まずは加減法で解きましょう。
特に、2つの式の係数を比較して、係数に1が無い場合や、2文字とも係数がそろっていない場合には、加減法を使って解くのが有効です!

加減法と代入法の使い分けについては、こちら↓で詳しく解説しています!
まとめ
- 加減法の手順
- 一方の文字の係数をそろえる
- そろえた係数の符号を比較して、足し算or引き算をする
- 同符号→引き算
- 異符号→足し算
- もとの式に代入して、残りの文字の値を求める
- 加減法では、途中計算の説明書きも必ず書くこと!
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