中学数学

【中1数学】除法の交換法則は成り立つか?当たり前だけど大事な話

中学数学

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結論:除法の交換法則は成り立たない

乗法(かけ算)においては、交換法則が成り立ちます。
(例:\(2\times3=3\times2\))

この話を聞くと、「じゃあ除法(割り算)も交換していい?」となる人がいますが、本当でしょうか?

とても簡単な話ですが、例えば \(4\div2\) と \(2\div4\) では、答えが違ってきますよね…?
よって、除法では交換法則は成り立たないわけです。

ちょっと立ち止まって考えれば当たり前のことですが、
それでも、複雑な計算になるとついつい割り算があるのに交換してしまうミスが度々起こるので注意しなければなりません。

計算ミスをなくすための工夫

よくあるミスとして、例えばこんなミスがあります。

\(18\div3\times3=18\div9=2\)

この計算のどこが間違っているのか、みなさんはすぐに気づけますか…?

今回は、計算の中に除法(割り算)が含まれているので、計算順序を自由に入れ替えることはできません。よって、正しくは、まず \(18\div3=6\) をして、そのあとに \(6\times=18\) をしなければなりません。

\(18\div3\times3=6\times3=18\)

どうしてこんな間違いをするのか、というと、\(18\div3\times3\) と見て、多くの人は \(3\times3\) が先にかたまりとして見えてしまうからでしょうね…。

では、見た目にとらわれずに正しく計算するために、何か対策はないでしょうか?

除法は乗法に直してから計算する(数学が苦手な人はこちらを推奨!)

まず考えられる対策としては、除法はすべて乗法に直してしまえばいいのです!
乗法に直してしまえば、交換法則が使えるので、計算順序を間違えてミスすることはありません。

例えば先ほどの計算であれば、
\(18\div3\times3=18{\color{red} \ \times\frac{1}{3}}\times3\)
のように、わり算だった部分を逆数のかけ算に直すことができます。

こうすれば、「割り算があるから…」と考える必要なく、気楽に計算することができます!

演算子(÷・×)ごと順番を入れかえる(上級者向け)

もう一つ考えられる対策としては、「演算子(÷・×)ごと順番を入れかえる」ようにすることです。

そもそも、わり算において順番を入れかえて答えがおかしくなるのは、数字部分だけ順番を入れかえたからであって、実は演算子ごと入れかえるのであればそのような問題は発生しません。

先ほどの例であれば、
\(18{\color{red} \ \div3}\times3=18\times3{\color{red} \ \div3}\)
とする分には何ら問題はないわけです。

とはいえ、この「演算ごと順番を入れかえる」という説明では、例えば 「\(2\div4\) はどうやって入れ替えるのか?」という疑問につながりますし( \(\div4 \ \ \ 2\) とするのもおかしい)、「そもそも先頭の2の演算子は何なのか?」という疑問にも回答しきれません。

やはり頭の中でやっていることとしては、除法を乗法に捉えなおして(\(\div\frac{\square}{\triangle}\) → \(\times\frac{\triangle}{\square}\))、順番を入れかえているに過ぎないのです。

よって、「演算子ごと入れかえればいいよ」という説明は、特に数学が苦手な子にとってはあまりいい説明とは言えないかもしれません。

まとめ

当たり前のことながら、除法では乗法のような交換法則は成り立ちません。
一瞬、不安に思ったら、簡単な計算(\(4\div2\) と \(2\div4\) など)を思い浮かべて、「ああ、除法では交換しちゃいけないな!」と思い出してみてください。

計算ミスを防ぐためにも、「除法は乗法に直す!」思考のクセを付けることをおすすめします!

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