乗法の交換法則とは
例えば、\(2\times3\) と \(3\times2\) は、どちらも6ですよね。
このように、乗法(かけ算)では、かけあわせる数字の順番を入れ替えても積が同じになります。この性質のことを、「乗法の交換法則」といいます。

結合法則は、交換法則の派生
「乗法の結合法則」は、交換法則を少し言い換えたようなもので、
例えば \(a\times b\times c\) という式があった場合に、\(a\times b\) を結合して先に計算してもいいし、\(b\times c\) を結合して先に計算してもいいよ、ということです。

そもそも、乗法には交換法則が成り立つので、\(a\times b\times c=b\times c \times a\) のように順番を入れかえても問題ないですよね。
つまり、結合法則は交換法則の派生型として考えることができます。
そして、交換法則と結合法則を組み合わせて考えると、
結論、乗法(かけ算)のみの場合は、計算しやすいように自由に順番を入れ替えていいよ!ということになります。

ただし、これはあくまでも乗法のみの場合に限ります。
あとで詳しく説明しますが、除法(わり算)があったり、加法や減法がある場合には順番を自由に入れ替えることはできないので注意しましょう。
負の数の乗法でも、交換法則OK
乗法のみであれば、負の数が混ざっていても交換法則や結合法則が成り立ちます。
なので、例えば \(4\times(-3)\times5\) であれば、順番を入れかえて \(4\times5\) を先に計算し、そのあとに \(-3\) をかけても構いません。
\(\begin{align*} & \ 4\times(-3)\times5 \\ =& \ 4\times5\times(-3) \ \ \ {\small{※順番入れかえ}} \\ =& \ 20\times(-3) \\ =& \ -60\end{align*}\)
除法が混ざってる場合は要注意!
さて、「乗法は交換法則が成り立つよ!」と習うと、多くの人がこんなミスをします。
\(18\div3\times3=18\div9=2\)
みなさんは、これのどこが間違いかわかりますか…?
「乗法の交換法則(結合法則)」は、あくまでも乗法のみの場合だけ成り立つ性質でしたよね。
この式は、除法(わり算)も含まれていまるので、本来は計算順序を勝手に入れ替えてはいけないはずです。
…にもかかわらず、上の例では、\(3\times3\) を先に計算してしまっていますね。
これが、計算ミスの原因です。
正しくは、\(18\div3\) をまず先に計算しなければなりません。
【正しい計算】
\(18\div3\times3=6\times3=18\)
除法は必ず乗法に直す癖をつける!
頭では分かっていても、どうも見た目にだまされて \(18\div3\times3=18\div9=2\) と間違えてしまう人が多いのが現状です。
そういう筆者も、ボーっとしているときはたまに間違えそうになります。
そこで、そのようなミスをなくすために、除法は必ず乗法に直す癖をつけるのがおすすめです!
例えば先ほどの例なら、
\(18\div3\times3=18{\color{red} \ \times\frac{1}{3}}\times3\)
のように、わり算の部分を逆数のかけ算になおしてやります。
すると、乗法のみの計算になったので、交換法則を使えるようになり、自分が計算しやすい順番で計算してもよくなります!
ちなみにこの問題であれば、\(\frac{1}{3}\times3\) の部分を先に計算した方が、ラクそうですね!
\(\begin{align*}&18\div3\times3 \\ =&18\times\frac{1}{3}\times3 \\ =&18\times1 \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ {\small{{※}\frac{1}{3}\times3{を先に計算}}} \\ =&18\end{align*}\)
練習問題
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