高校生物

【生物基礎】「細胞の大きさ」教科書解説!

細胞の大きさ 高校生物

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生物の基礎となる細胞。

でも、ひとくちに細胞といっても、実はそのサイズ感は非常に幅広いのです。

真核細胞の大きさ

真核細胞は、核や細胞小器官をもつ細胞です。
普段私たちが目にする生物(動物や植物など)のからだは、真核細胞からできています。

真核細胞は顕微鏡で見ないと見れないような小さいもの(10μm前後)から、肉眼でもしっかり見えるくらい大きいもの(数cm)まであります。

大きいものから順にみていきましょう。

卵の大きさ

卵

実は、は細胞の中でも特別な存在です。

いろいろな面で特別なのですが、サイズも特別で、とにかく大きい!

卵は、受精後に赤ちゃんがある程度の大きさまで成長(発生)できるように、栄養や必要な物質をたくさん蓄えています。
なので、他の細胞と比べてとても大きくなります。

種によって生物の卵の大きさには幅がありますが、
ヒトの卵は0.1mmほどカエルの卵は1~3mmほどです。
(これは、後ほど述べる他の細胞のサイズと比べると100倍くらいの大きさです…!

そしてもっと大きいのが、身近なニワトリの卵黄で25mmくらいあります。
鳥類の卵は、実はあれひとつが一つの細胞なのです!

卵のサイズ

単細胞生物の大きさ

続いて、単細胞性のサイズ感をみていきましょう。

単細胞生物は、細胞一つで生きている生物です。
つまり、細胞の中に生きるために必要なものはすべて備わっているため、細胞がおおきくなりやすいと考えられます。

実際に、単細胞生物の細胞は、多細胞生物の細胞よりもひとまわり大きく、
0.1mm前後(100μm前後)の生物が多くなります。

単細胞生物のサイズ

植物細胞の大きさ

植物の体細胞(通常の細胞)のサイズは、動物細胞よりもひとまわり大きいものが多くみられます。

植物細胞には液胞があり、それが大きく成長するので細胞が大きくなりやすくなります。
また、頑丈な細胞壁があるおかげで、細胞が大きくなっても形を維持できるの理由と考えられます。

植物細胞の大きさは、10~100μm前後です。

植物細胞のサイズ

動物細胞の大きさ

動物細胞(体細胞=通常の細胞)は、植物細胞よりはひとまわり小さくなりますが、
だいたい10~100μm前後が相場です。

動物細胞のサイズ

動物細胞の中で、注意しておきたいのが「ヒト(哺乳類)の赤血球」です。

ヒトの赤血球は、体細胞(=通常の細胞)の一つですが、実は核がない特別な細胞です。
(赤血球ができる過程で、核が消失します)

核がない分、赤血球は他の細胞と比べて少し小柄(7μmくらい)になるので、覚えておきましょう。

(おまけ)細胞小器官の大きさ

こちらは細胞ではありませんが、細胞小器官のサイズは1μm前後です。

細胞小器官は真核生物の中に入っていますから、真核細胞の10分の1くらいの大きさだと思えば覚えやすいですね!

原核細胞の大きさ

菌類などの非常に小さな生物は、原核細胞からできています。

原核細胞は、真核細胞と異なり、核や細胞小器官をもちません。
つまり、真核細胞に比べて細胞のサイズもコンパクトであれるのです。

原核細胞の大きさは~10μm前後となります。

(おまけ)ウイルスの大きさ

ウイルスは、正確には細胞ではありませんが、
ここでは”細胞に関連するもの”としてサイズを知っておきましょう。

ウイルスは、RNAという遺伝物質と、それを包むタンパク質の殻だけをもった、超シンプルな構造体です。

シンプルであればあるほど、大きさも小さくなります。
ウイルスは10~100nmほどの、非常に非常に小さい粒子です。

「分解能」もおさえよう

分解能とは、2つの離れた点を2点として見分けることができる限界の距離のことを言います。

肉眼の分解能

私たち人間が目で見える範囲は、0.1mmぐらいまで、と言われています。

これは、水の中の微生物(ミジンコやゾウリムシなど)がかろうじて点で見えたりする程度です。

光学顕微鏡の分解能

光学顕微鏡の分解能は、0.2μmです。

細胞小器官や原核細胞は、光学顕微鏡を使って観察することができます。

しかし、より細かな細胞内の分子や原核細胞の中身、ウイルスなどは、光学顕微鏡ではみることができません。

電子顕微鏡の分解能

電子顕微鏡の分解能は0.2nmで、
これは光学顕微鏡のさらに1000倍細かいところまで見えるということになります。

電子顕微鏡を使えば、ウイルスはもちろん、細胞内の分子なども詳しく観察することができます。

細胞の大きさをまとめると…

細胞のサイズ感をまとめると、図のようになります。

細胞の大きさ
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