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【高校生物】「性染色体と性決定のしくみ」教科書解説!

性決定のしくみ 高校生物

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今回のキーワード:
性染色体、雄へテロ型(XY型・XO型)、雌へテロ型(ZW型・ZO型)

ヒトは、X染色体とY染色体によって性が決まるXY型の性決定ですが、その他にもさまざまな性決定の型が存在します。

性決定の型にはさまざまな型がある

真核生物の多くは、相同染色体を2本ずつもちます(複相)。
その中には、雄と雌が共通してもっている常染色体と、雄と雌で様子が異なる性染色体が存在します。(→常染色体と性染色体

性染色体には、その個体が雄になるか、雌になるかを決める遺伝子が含まれています。
例えば、私たちヒトの性染色体にはX染色体とY染色体があり、X染色体を2本もっていれば女(XX)、X染色体とY染色体を1本ずつもっていれば男(XY)になります。

性染色体による性決定のパターン(型)は、ヒトのようにX染色体とY染色体によるもの以外にも、さまざまなパターンがあり、大きく「雄ヘテロ型」と「雌ヘテロ型」に分けられます。

ホモ・ヘテロとは?
生物を学んでいると、「ホモ」や「ヘテロ」という言葉が出てきます。すごく簡単に説明すると、
ホモ=同じものどうしの組み合わせ
ヘテロ=違うものどうしの組み合わせ
という意味と捉えてもらえばOK。

ヒトの性染色体でいえば、女性はXXなので「ホモ」、男性はXYなので「ヘテロ」ということになります。
ホモとヘテロについて、詳しい解説はこちら↓

雄へテロ型

雄ヘテロ型では、性染色体がホモ接合だと雌に、ヘテロ接合だと雄になります。
XY型とXO型の2種類に分けられます。

雄ヘテロ型

XY型

雄と雌の両方がもつ性染色体をX、雄のみに存在する性染色体をYとしたとき、
雌がXX(ホモ)、雄がXY(ヘテロ)となる性決定の様式をXY型といいます。

ヒトなどの哺乳類や一部の昆虫類(キイロショウジョウバエ)などが、XY型の性決定様式をもちます。

XO型

生物によっては、雄特有のY染色体が無く、雌がXを2本持つのに対し、雄はXを1本だけもつものもいます。
このような性決定の様式は、XO型と呼ばれます。
※Oは「無し」という意味です!

XO型の性決定様式をもつ生物には、トンボやバッタなどの昆虫類がいます。

雌へテロ型

反対に、性染色体がホモだと雄に、ヘテロだと雌になる生物もいます。
このような性決定の様式は雌ヘテロ型といいます。

雌ヘテロ型にも同様に、ZW型とZO型があります。

雌ヘテロ型

ZW型

雄と雌の両方が持つ染色体をZ、雌だけがもつ染色体をWとしたとき、
雄がZZ(ホモ)、雌がZW(ヘテロ)となる性決定の様式をZW型といいます。

ニワトリなどの鳥類やは虫類が、ZW型の主な生物です。

【注意】
XやZ、YやWというのは、あくまでも染色体を見分けるための記号であって、それ自体に深い意味はありません。
雄ヘテロ型と雌ヘテロ型を区別しやすくするために、雄ヘテロ型ではXやYを、雌ヘテロ型ではZやWを記号として使っています。

ZO型

また、雌特有の染色体がなく、雄はZを2本持つが雌はZを1本だけ、という性決定様式も存在します。
これはZO型と呼ばれます。

ただ、ZO型の性決定を行っている生物はごくわずかで、珍しい様式です。

まとめ

  • 真核生物の染色体には常染色体性染色体があり、性染色体が姓を決定する。
  • 性決定の型(パターン)はさまざま。
    • 雄ヘテロ型 → XY型・XO型
    • 雌ヘテロ型 → ZW型・ZO型(※珍しい)

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