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【高校生物】「ゲノムの多様性SNP(一塩基多型)」教科書解説!

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SNP(一塩基多型)とは

DNAは、自然界において放射能や化学物質の影響などで一部の塩基対が置き換わることがあります(塩基の置換)。

置換が形質に重大な異常をきたす場合、その固体は生存することができず、自然界から淘汰されます。

しかし中には、形質に全く影響を与えない置換や、形質に及ぼす影響が小さい置換もあり、このような置換は自然界から淘汰されず、集団内に残ることがあります。

このように、形質に及ぼす影響がほとんどないため、集団内の1%以上の個体で、特定の位置の1塩基だけが置換しているような場合を、SNPスニップ(一塩基多型)といいます。

SNP

SNPの多くは遺伝子以外の部分に存在する

DNAの中で、タンパク質を作るための情報をコードしている部分を、遺伝子と言います。
遺伝子は、DNAのごく一部にしかありません。

上で説明したように、SNPが集団内に残るためには、形質にあまり影響を及ぼさない置換である必要があります。
そのため、SNPは遺伝子以外の領域に存在することが多いのです。

SNPの多くは遺伝子以外の部分に存在する

SNPの医療への応用

SNPの多くは遺伝子以外の領域に存在しますが、
中には遺伝子の中に存在したり、遺伝子に近い領域に存在したりすることもあります。

このような場合、死までは至らなくても、病気を発症しやすくなったり、薬剤の効き具合が変わったりすることがあります。

現在では、病気のなりやすさや薬剤効きやすさがSNPと関係していることから、SNPを利用したオーダーメイドの医療を提供するための研究も行われています。

SNPはゲノムの多様性を支えている

SNPは、生きていく上で重要な形質にほとんど影響を与えませんが、ちょっとした個人差を生み出します。
つまり、SNPの存在のおかげで、同じゲノムを持つ個体どうしにも「個性」が出るというわけです。

SNPによってゲノムに多様性をもたせることで、もし環境が変化して多くの個体が死んでしまっても、その環境に耐えられる「個性」を持った一部の個体が残って種を存続できるかもしれません。

SNPは、ゲノムの多様性による種の存続や進化を支える重要な現象なのです。

まとめ

  • SNP(一塩基多型)
    同じゲノムをもつ集団(種)の中で、1%以上の個体にある特定の位置の塩基の置換が見られること。

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