今回は、地質時代についてのお話です!
地質時代をおさえておくことで、生物の進化の歴史の全体像が分かりやすくなります。
地質時代とは
地球は誕生してから現在にいたるまで、岩石を作り続け、地層を形成してきました。
そして、地球の活動や生物の進化の記録は、この地層の中に残されています。
つまり、地球の歴史=地質にあり!ということ。
よって、地球上に最初の岩石が作られてから現在までを地質時代と呼んでいます。
現在の地質時代区分では、先カンブリア時代、古生代、中生代、新生代の大きく4つに分けられています。
古生代、中生代、新生代では、さらにその中で細かく時代が区分されています。
先カンブリア時代
古生代の初めに、カンブリア大爆発という生物の爆発的な急増・多様化が起こります(この後詳しく解説)。
先カンブリア時代とは、このカンブリア大爆発より以前の時代(約5億4000万年前まで)のことです。
化学進化によって無機物から有機物が合成され、最初の生命の誕生、原核生物→シアノバクテリア→真核生物→多細胞生物への細胞の進化はこの時期に起こりました。
大型の多細胞生物であるエディアカラ生物群の出現も、先カンブリア時代の終盤に当たります。
古生代
約5億4000万年前~2億5000万年前までを、古生代といいます。
古生代になると、化石の数がぐっと増えます。
カンブリア紀
カンブリア紀のはじめ、約5億年前のカンブリア大爆発は、大型の海生動物が一気に花開いた時代です。
カナダのロッキー山脈や中国の地層から大量の化石が見つかり、それぞれバージェス動物群、チェンジャン動物群と呼ばれています。
有名なものとしては、アノマロカリスや三葉虫などがこの時期の生物です。
他の動物を捕食する捕食者や、捕食者から身を守るための硬い殻をもった生物が現れました。
カンブリア紀には、現在の海生無脊椎動物の祖先が出現しました。
また、初期の脊索動物や、原始的な脊椎動物である無顎類も誕生します。
オルドビス紀・シルル紀
オルドビス紀とシルル紀にかけて、あごをもつ原始的な魚類が誕生します。
また、オゾン層が形成されたことにより生物の陸上進出が可能になったのもこの頃です。
最初に陸上に進出したのは、植物であったと考えられています。
現在発見されている最古の陸上植物の化石は、シルル紀のクックソニアです。
デボン紀
デボン紀は魚類の時代と言われるほど、魚類が進化した時代です。
現在の軟骨魚類(サメなど)や硬骨魚類(一般的な魚)の祖先は、デボン紀に出現しました。
硬骨魚類には条鰭類(薄いヒレを持つ魚)と肉鰭類(筋肉がついたヒレを持つ魚)がいます。肉鰭類が陸上進出して、手足を持つ動物に進化していったと考えられています。
ちなみに、生きた化石と呼ばれるシーラカンスの祖先も、この時期に誕生しました!
また、陸上では大型のシダ植物が森林を形成しはじめます。そして、初期の種子植物も出現しました。
森ができた陸上では、昆虫なども生活しはじめます。さらに、デボン紀終盤には両生類も誕生しました。
石炭紀
石炭紀には、巨大なシダ植物の森が最盛期に達します。
また、森の中では両生類が繁栄し、は虫類も誕生します。
ペルム紀(大量絶滅)
ここまで、実に多様な生物が誕生し、繁栄してきました。
ところが、ペルム紀になると温暖だった地球が寒冷化し、これまで発展してきた生物たちが大量絶滅してしまいます。この大量絶滅は、地球史上最大だったとも言われます。
こうして、古生代の生き物たちの繁栄は終わりを迎えました。
中生代
地球はペルム紀に一度寒冷化しまし、古生代に栄えた生物はそのほとんどが絶滅しました。
しかし、地球がふたたび温暖化すると、ペルム紀の大量絶滅を生き残った種が多様な進化を遂げます。これが、中生代のはじまりです。
中生代は、約2億5000万年前~6600万年前まで続きました。
動物では恐竜などの大型のは虫類が、植物では裸子植物が繁栄した時代です。
三畳紀
三畳紀半ばごろ、哺乳類が誕生しました。
また、三畳紀の終わりには大型のは虫類である恐竜が誕生します。
ジュラ紀・白亜紀(大量絶滅)
三畳紀の終わりに誕生した恐竜は、ジュラ紀~白亜紀にかけて大繁栄します。
また、恐竜から鳥類が進化したのもジュラ紀です。恐竜と鳥類の中間的存在である始祖鳥は、ジュラ紀の地層から化石が見つかっています。
海中では、アンモナイトなどの巻貝が繁栄していたのもこの頃です。
植物では、ジュラ紀には裸子植物が繁栄していましたが、白亜紀になると被子植物が現れはじめます。
こうして、中生代にもさまざまな生物が進化しましたが、約6600万年前(白亜紀の終わり)に、再び大量絶滅が起こりました。
この大量絶滅の原因として、巨大隕石の落下による気候変動があったとする説が有力です。
これにより、恐竜やアンモナイトなどはほとんど姿を消してしまい、中生代は終わりを迎えます。
新生代
しばらくすると、また大量絶滅を生き残った生物が新たに進化していきます。
こうして始まったのが、現在につながる新生代です。
古第三紀
新生代の第三紀のなかでも、前半を古第三紀といいます。
恐竜などの大型のは虫類が絶滅したことで、それまで隠れるようにして生きていた哺乳類が進化し、現在のような多様な種に分かれていきました。
また、植物では裸子植物が衰退し、代わりに被子植物が台頭しました。
新第三紀
新第三期になると、地球が寒冷化・乾燥化します。
この影響で、被子植物がつくる草原が広がりました。
すると、これまで樹上で生活していた霊長類が地上におりて活動するようになりました。こうして、我々人類の祖先が生まれたのです。
第四紀
第四紀になると、地球は氷期(寒い期間)と間氷期(比較的温暖な期間)を繰り返すようになります。
すると、氷河ができたり解けたりするのに伴い陸地が分断されるようになり、生殖隔離によって陸上の生物の多様化がますます進みました。
そして、今から約30万年前に、現在のヒト(ホモ・サピエンス)が誕生したと言われています。
ちょっと豆知識💡
新生代って、なんで第3紀から始まるの?
第一紀と第二紀はどこいった?!
…実は、以前の地質時代区分では、第一紀、第二紀、第三紀、第四紀という区分でした。
その後、もとの区分では都合が悪くなったので、第一紀を古生代、第二紀を中生代、第三紀と第四紀をまとめて新生代と呼ぶように改められたそうです。
新生代の中に第三紀と第四紀があるのは、その名残なのですね…!
学説や区分は、最新の研究によって常に変わるもの。特に生物学は、最新の研究によって常識が覆されることが少なくない分野です。
今教科書に載っている知識や説も数年後には大きく変わっているかもしれませんね!
まとめ
- 地質時代とは
地球に最初の岩石ができてから、今にいたるまで - 地質時代は、大きく次の4つに区分される。
先カンブリア時代・古生代・中生代・新生代
それぞれの時代の変わり目で、大量絶滅が起きた。