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【生物基礎】「免疫と病気」教科書解説!

免疫と病気 高校生物

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私たちの体を守る免疫は、ときにアレルギーや自己免疫疾患などの問題を引き起こすこともあります。
今回は、免疫が関わる病気や問題を見てみましょう!

免疫力の低下により起こる問題

何らかの原因で免疫力が低下すると、からだはバリア機能を失い様々な問題が生じます。

免疫力が低下する原因には、ストレスや疲労、老化などによるものがあります。
また、エイズによる免疫力の低下も代表的です。

エイズ(HIV)

エイズは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルスに感染することにより発症する病気です。

HIVに感染すると、獲得免疫に重要なヘルパーT細胞が破壊されます。これにより、獲得免疫がはたらかなくなり、免疫力が低下してしまいます。

日和見感染

日和見感染とは、免疫力が極度に低下することによって、通常であれば感染しないような病原体にも感染してしまう状態のことです。

例えば、カンジダ菌という細菌は、私たちの皮膚に普通に存在している細菌で、健康な状態であればカンジダ菌にかかることはありません。
しかし、免疫力が低下した状態では、カンジダ菌にかかりやすくなってしまいます。

過剰な免疫により起こる問題

免疫力の低下はからだのバリア機能が弱くなるため問題ですが、
逆に免疫が過剰にはたらきすぎても、様々な問題を引き起こします。

アレルギー

例えば、アレルギーは本来免疫反応を起こす必要のないものにまで免疫反応を起こしてしまっている状態です。
アレルギーの原因になる物質(花粉や食べ物など)を、アレルゲンと言います。

アレルギーは症状が軽くすむ場合もありますが、重篤な場合アナフィラキシーショックを引き起こし、生死に関わることもあります。

自己免疫疾患

免疫は、本来は自分の細胞に対してははたらきません。
しかし、何らかの原因で自分自身に対しても免疫がはたらくようになると、免疫が自分のからだを異物だと勘違いして攻撃するようになり、臓器などにダメージが出てしまいます。
このような状態が、自己免疫疾患です。

自己免疫疾患による影響としては、例えばI型糖尿病や関節リウマチなどがあります。

拒絶反応

皮膚や臓器を他の人から移植すると、拒絶反応(ショック反応)が起こります。
これは、他の人の皮膚や臓器は、自分のからだにとって異物だからです。

他人の皮膚や臓器が移植されると、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)やキラーT細胞がそれを非自己として認識し、攻撃をします。
これにより、ショック症状が出てしまうのです。

この拒絶反応を抑えるため、移植の際には免疫機能を抑える薬(免疫抑制剤)が使用されます。

まとめ

  • エイズ
    HIV感染により発症する。免疫不全を引き起こす。
  • 日和見感染
    免疫力の低下により、健康な状態であれば感染しないような病原体にも感染してしまう状態。
  • アレルギー
    免疫の過剰な反応により起こる。
    アレルギーの原因物質をアレルゲンという。
  • 自己免疫疾患
    自分自身に対しても免疫がはたらいてしまう病気。
  • 拒絶反応
    他人の臓器などを移植すると、それが異物として認識され拒絶反応が起こる。
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