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【生物基礎】「リンパ球と免疫寛容<獲得免疫①>」教科書解説!

リンパ球と免疫寛容 高校生物

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今回は、獲得免疫(適応免疫)を担うリンパ球のおはなしです!

獲得免疫(適応免疫)とは

免疫には、大きく分けて「自然免疫」と「獲得免疫(適応免疫)」の2種類があります。

自然免疫は、生まれながらにして備わっている免疫機能のことで、例えば食作用やナチュラルキラー細胞による異常細胞の攻撃などがあります。

一方、獲得免疫(適応免疫)とは、名前の通り生後に獲得した(生後の環境に適応して獲得した)免疫機能のことです。
もっと具体的に言うと、自然免疫では対応しきれないようなウイルスや異物に対し、それ専用の免疫系が確立されるということです。

獲得免疫をになう細胞

獲得免疫は、リンパ球の一種であるT細胞B細胞が主体となって行われます。

T細胞は、ヘルパーT細胞キラーT細胞の2種類があります。
キラーT細胞は、細胞性免疫の主役です。
一方、ヘルパーT細胞はキラーT細胞やB細胞を活性化させるはたらきをもちます。

B細胞は、体液性免疫の主役としてはたらきます。

リンパ球の特異性と多様性

自然免疫ではたらく食細胞やNK細胞は、1つの細胞でさまざまな異物に対応することが出来ます。

しかし、獲得免疫ではたらくT細胞やB細胞は、各細胞は決められた1種類の異物にしか反応することができません。(リンパ球の特異性)
その代わりに、異なる異物を認識するリンパ球を多数用意することで、さまざまな異物に対応できるようにしています。(リンパ球の多様性)

リンパ球の特異性と多様性

免疫寛容

体内には、様々な異物に対応するため多様なT細胞やB細胞が用意されていますが、自分自身(自己)に反応するようなT細胞やB細胞は存在しないようになっています。免疫寛容
もし、自分自身に反応してしまったら、自分自身のからだを免疫が攻撃してしまうことになり不都合だからです。

実際には、多様なT細胞やB細胞がつくられる過程で、自分自身に反応するものもつくられています。
しかし、T細胞やB細胞が成熟する過程で、このような自己に反応するものは選別され、排除されたり、はたらきが抑制されたりします。
これにより、体内では自分自身に反応して攻撃するようなT細胞やB細胞は存在しないようになっているのです。

免疫寛容

まとめ

  • 獲得免疫(適応免疫)
    生後に獲得される免疫機能。
    リンパ球の一種であるT細胞B細胞が主体となって行われる。
  • リンパ球の特異性
    獲得免疫にかかわるリンパ球の各細胞はある1種類の異物にしか反応しない。
  • リンパ球の多様性
    その代わり、異なる異物に対応する多様なリンパ球が用意されている。
  • 免疫寛容
    自分自身(自己)に反応するリンパ球は、成熟の過程で選別され、排除または抑制されている。
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