今回は、内分泌系についてのお話しです!
内分泌系とは
内分泌系は血液を介してホルモンで情報を伝達するしくみです。(>神経系と内分泌系)
内分泌腺と標的器官
情報を伝達するホルモンは、内分泌腺や神経分泌細胞でつくられ、血流にのって全身に運ばれます。
しかし、ホルモンは体のどの器官にも作用するわけではありません。標的器官と呼ばれる特定の器官にのみ作用します。
これはなぜでしょうか?
実は、ホルモンが作用するためには、ホルモンが受容体に結合することが必要です。
そして、この受容体はある特定の細胞しか持っていません。(受容体を持っている細胞のことを標的細胞と言います。)
よって、受容体をもつ標的細胞が集まった器官(標的器官)にだけ、ホルモンが作用するしくみになっているのです。

内分泌系の中枢は?
内分泌系は、自律神経と同じく間脳の視床下部によって制御されています。
間脳の視床下部にある神経分泌細胞から、内分泌腺にホルモン放出を促進したり抑制したりするホルモンが放出されます。

ホルモン分泌量の調節のしくみ
ホルモンは、標的器官に働いてその活動を調節しますが、
うまく調節をするためには、適切な量のホルモンが放出されなければ成りません。
ホルモンの分泌量を適切な量に調節するため、私たちのからだには(負の)フィードバックという仕組みが備わっています。
具体例として、甲状腺から出るホルモンの分泌調節のしくみをみてみましょう。
甲状腺ホルモンは、視床下部からの刺激によって放出されます。
- 間脳の視床下部から「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」が分泌され、脳下垂体前葉に作用する。
- 脳下垂体前葉から、「甲状腺刺激ホルモン」が分泌され、甲状腺に作用する。
- 甲状腺から、「甲状腺ホルモン」が分泌される。
これで、甲状腺ホルモンが体内に分泌されます。

さて、甲状腺ホルモンがある程度放出されて効果がでてくると、もう甲状腺ホルモンを放出する必要がなくなります。
なので、甲状腺ホルモンの放出を止めなくてはなりません。
このときにはたらく仕組みが負のフィードバックです。
甲状腺ホルモンが血中に放出されて、それが脳下垂体前葉や視床下部に到達すると、脳下垂体前葉からの「甲状腺刺激ホルモン」や視床下部からの「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」の放出が抑制されます。
つまり、甲状腺ホルモン自体が、甲状腺ホルモンをつくるはたらきを抑制するのです。

このように、最終的につくられた物質やその効果が、前の段階にもどってそのはたらきを調節することを「フィードバック」といいます。
特に、ホルモンの調節では前の段階のはたらきを抑制する「負のフィードバック」がよく使われています。
まとめ
- 内分泌系
血流を介して、ホルモンで情報を伝達するしくみ - ホルモンは、内分泌腺や神経分泌細胞から放出される。
- 放出されたホルモンは、受容体をもつ標的細胞にのみ作用する。
- ホルモンの分泌量は、(負の)フィードバックによって調節されている。