前回の記事で、細胞周期と染色体の様子の変かを学びました。
今回は、細胞周期の中でDNA量がどのように変化しているかを見ていきましょう!
☆細胞周期の基礎知識がまだの人はこの記事でチェック↓
細胞周期とDNA量の変化
ここから先、通常の細胞がもつDNAの量をnで表すことにしましょう。
このとき、DNAが複製された細胞ではDNAの量は倍になっているので、2nになります。
基本のDNA量をnとしたとき、細胞周期とDNA量の変化の関係は、下の図のようになります。

細胞周期の各段階のDNAの様子を、詳しく見ていきましょう。
G1期(DNA合成準備期)
G1期の細胞では、DNAはまだ複製されていません。
なので、G1期のうちはDNA量はnのままです。

S期(DNA合成期)
S期では、DNAが複製され、DNA量は時間と共に増えていきます。
そして、S期が終わる頃に完全に複製されて、DNA量が2nになります。

G2期(分裂準備期)
G2期の細胞は、DNA量が2倍のまま分裂まで待機している状態です。

M期(分裂期)
さて、いよいよ分裂期に入ります。
前期・中期・後期では、染色体がダイナミックに変化し動いていますが、実はこの間、細胞あたりのDNA量(または核あたりのDNA量)は変化しません。
後期には染色体が分かれはじめますが、細胞や核はまだ分かれていないので、この時点ではまだ分裂前の1つの細胞(核)に2nのDNAがあるといえるのです。

終期になると、染色体が完全に分離します。この時点でもまだ、細胞(核)は分かれていないので、細胞(核)あたりのDNA量は2nのままです。
ところが、終期の後半になると、核膜ができて核が先に分かれます。
こうなると、核当たりのDNA量はnになったと言えます。
しかし、まだこの時点では細胞質は分かれていないので、細胞当たりのDNAは2nのままです。
最後に細胞質が分離すると、ここではじめて細胞当たりのDNA量がnに戻ります。
この瞬間、分裂期は終わりまたG1期へと移っていきます。

まとめ
細胞終期の各段階におけるDNA量の変化は、試験などで出されやすい問題です。
どの段階でどのようにDNA量が増えたり減ったりするか、イメージできるようにしましょう。
- DNA量が2倍になるのは、S期
- 核あたりのDNA量が元に戻るのはM期・終期の後半
- 細胞当たりのDNA量が元に戻るのは、M期・終期が終わるタイミング
