今回は、(細胞の)呼吸についてのおはなしです!
(細胞の)呼吸とは
「呼吸」というと、肺で酸素を取り込んで、二酸化炭素を出す・・・というのが思いつくかもしれませんが、
生物学では、細胞が酸素を取り込んで二酸化炭素を出す反応も、呼吸といいます。

もっと具体的にいうと、
酸素を使って有機物を分解し、ATPを合成する反応のことを呼吸と言います。
(この反応の結果、二酸化炭素と水もできます。)
ATPは生体内の代謝に必要なエネルギーを運搬する物質です(ATPの構造と役割>>)。
つまり、呼吸でATPを合成することは生物の基本的な活動のためにとても重要なことなのです。
ということで、細胞の呼吸について詳しく見ていきましょう!
ミトコンドリアにおける呼吸のようす
細胞の呼吸は、細胞小器官のミトコンドリアで行われます。
ミトコンドリアは、真核細胞に普遍的に存在する細胞小器官です。

ミトコンドリアは、呼吸をおこなってATPを合成する、いわばATPの生産工場です。
では、どのようにしてATPが合成されているのでしょうか?
ミトコンドリアでは、有機物(主にグルコース)と酸素が反応し、二酸化炭素と水になる反応が起きます。
これは、有機物という複雑な物質が、二酸化炭素と水という単純な物質に分解される異化反応です。
よって、この反応では大量のエネルギーが放出されます。
すると、今度はこの放出されたエネルギーがATP合成に使われます。
ATPはADPにもう一つリン酸(P)をくっつけて作られるのですが、このとき新たな高エネルギーリン酸結合をつくるためにエネルギーが必要です。
このエネルギーとして、有機物を分解して放出されたエネルギーを使うのです。

呼吸の反応の全体像をまとめると、次のようになります。
