最近、個別指導の学習塾が増えてきています。
学習塾を検討するとき、集団塾か、個別指導塾か… みなさん悩むのではないでしょうか。
今回は、「個別指導って実際どうなの?」という疑問に対する、元塾講師・京大生の考えです。
個別指導塾ってどんなところ?
まず、個別指導塾の指導スタイルはどんな感じかというと、
- 完全に1対1での指導
- 生徒2~3名:講師1名
のどちらかが多いようです。
授業の内容は塾によって様々で、塾で決められたテキストに沿ってすすめることもあれば、その日に生徒がやりたい内容を自習スタイルで行うところもありますが、生徒一人一人に合わせた指導ができるというのが個別指導の一番の特徴です。
細かいスタイルは塾によって少しずつ異なるので、パンフレットを見たり、体験授業に行ったりして事前に確かめるといいです。
個別指導のメリット・デメリット
個別指導にはメリットもあれば、デメリットもあります。
個別指導のメリット
- 指導内容を一人一人に合わせてくれる
- 先生と個別で対話できるので、質問できるチャンスが多い
- 授業時間の自由度が高く、部活や他の習い事で忙しくても比較的通いやすい
- 勉強がすごく苦手な子・すごく得意な子もカバーしやすい
- 資格(英検など)対策など、学校の勉強以外の指導にも柔軟に対応してもらいやすい
集団塾と違い、授業内容を一人一人にカスタマイズしてくれるので、勉強が非常に苦手な子で前の学年に遡って勉強したい子や、逆に勉強が非常に得意でもっと先のことを学習したい子、さらには資格対策など学校の授業とは関係の無い内容を学習したい子でも、希望の内容で授業を実施できます。
また、集団塾では学年やクラスで授業時間が決まっているので、他の予定とバッティングすると授業に出席できなくて困ることがありますが、
個別指導では学年やクラスに関係なく自分に都合のいい時間枠で授業を受けることができるので、部活動や他の習い事との両立がしやすいのもメリットです。
個別指導のデメリット
- (特に勉強が苦手な子で)授業ペースが遅れやすく、目標が達成できない場合が多い
- 積極的に質問できないと、自習っぽくなりがち
- 講師が学生アルバイトであることが多く、指導の質が低いこともある
- 他の子との競争を実感しづらく、自分の現状を客観視しづらい
個別指導は指導を一人一人に合わせてくれますが、それがデメリットでもあります。
というのも、生徒のペースに合わせていると、授業進度が遅れて、本来目指すべきレベルに達成しないままで終わってしまうケースが多いからです。
もちろん、本来は講師がペースを管理しないといけないのですが、
個別指導塾の場合、講師の多くは学生アルバイトであることも珍しくなく、生徒のペースに引っ張られてしまい目標にきちんと到達できないことも少なくありません。
また、せっかく講師と一対一で勉強しているのに、生徒が質問しないので結局次週のようになってしまっていることもよく見かけます。
当然これも、講師から働きかけるべきなのですが、”生徒からの質問待ち”の先生が多いのも事実です。
さらに、個別指導では他の子のようすを実感しづらいのもデメリットの一つです。
集団であれば、他の子も一緒に同じ授業を受けるので、「他の子はこの内容について行けているのか…」「他の子はスラスラペンが動いているな…」と焦る場面もあるでしょう。
そういった”焦り”は、勉強のモチベーションを上げるためにはある程度必要ではないかなと思います。
個別指導はおすすめ?
私個人の結論をいうと、学校の授業について行きたい、受験対策をお願いしたい、という場合では、個別指導はあまりおすすめできません。
というのも、デメリットにあるように、個別指導では結果的に生徒依存であることが多いように感じるからです。
「生徒一人一人に合わせる」というのはよいことのように聞こえますが、それは結局「生徒のペースに合わせてしまい成績が上がらない」という結果に終わることが多いのです。
もちろん、講師がしっかりペース管理できる状況であれば、話しは違うでしょう。
しかし、個別指導では大量の講師が必要で、講師を補うために学生やフリーのアルバイトを採用しているため、全ての講師に質を求めるのは困難です。
結局、ついていくのが多少大変でも、集団授業のようにペースを無理矢理にでも引っ張っていってくれる方が、成績を上げるという意味では強いのかな、と思います。
(もちろん、集団授業+個別のケアがあると、一番最強なのですが…)
ただし、
- 勉強がとても苦手で、ゆっくりでもいいので前の学年まで遡って教えてほしい
- 勉強がすごく得意で、自由なペースでもっと上の学年の内容や資格対策を指導して欲しい
このような場合は、授業ペースよりも、一人一人に寄り添って、自由度の高い授業を行う必要があり、集団授業では絶対に実現できません。
なので、塾に通う目的が平均と離れていて(すごく基本的なこと or すごくハイレベルなこと)、授業のペースは余り重視しない、という場合は個別指導塾はおすすめできます。